『てめえの一生を・・・・滅茶滅茶にしてやるぜ 関口・・・・!!』
将太の寿司では寿司という平和そうなテーマを扱っているにも関わらず、どういうわけか何人も極悪人が湧いて出てくる。
中でも代表的な悪役としては、以下の3名が挙げられるかと思う。
- 笹木剛志
- 佐治安人
- 紺屋碧悟
下2人は既にレビュー済みであり、笹木だけレビュー無しというのも可哀そうなので、冒頭の物騒なセリフを吐いている笹木についても触れてやろうかと思う。
笹木概要
主人公、将太の高校時代の同級生であり、北海道屈指の寿司チェーン「笹寿司」の御曹司。
将太の実家である「巴寿司」を買収しようと様々な工作をした結果、(間接的とはいえ)気苦労から生じた体調不良により母親を亡くし、更には父親は酒に溺れる羽目に陥ってしまう。
その父親に代わって将太が寿司職人を志した後も、せっせと親子で嫌がらせを続ける陰湿なキャラ。
嫌がらせの程度は度を越しており、巴寿司に魚を売らないよう業者に圧力をかけたり、市場の魚を買い占める(!!)のは序の口。
笹木自身は職人ではなく、笹寿司の経営者という点は、他の2人とは異なる。
働いた悪事の数々
佐治は信書隠匿罪、碧悟は傷害の教唆犯と、それなりの犯罪行為は犯していたが、笹木に比べればまだ可愛い部類である。
例えば、笹木は以下のような犯罪行為に手を染めており、時には人命にも関わる行為も働いている。
- 巴寿司の前にゴミをばら撒き、更に客に扮したクレーマーを送り込む(一昔前の地上げ屋と同じ手口)
- 巴寿司に協力する漁師たちの漁船のエンジンを片っ端からオシャカにする
- 寿司屋の年配親方に、腐ったカキの寿司を無理やり食わせようとする(しかも笹寿司系列店で)
- 将太の父親が乗った船に細工をし、転覆させる(父親は後遺症で一時手が動かせなくなる)
- 人間国宝の皿を割ったりアサクサノリの養殖場を燃やす職人や、地下鉄でライバルの寿司職人を突き落とす職人を雇っている
特に、将太の父は一歩間違えば人命に関わる事態であろう。
そして、残念ながら将太の寿司では警察は全く登場しない。警察という概念が無いのか、それとも笹寿司の権力に物を言わせて封殺しているのか。
これだけ執拗に嫌がらせをしているのであれば、巴寿司の買収を超えた何らかの理由があるはず、と考えるのが通常であろう。
しかし、その理由は「高校時代の将太の陽キャぶりが気に入らなかった」だけだった模様。
「貧乏人の小倅がクラスの中心になっていたのがとことん許せなかった」と、将太たちの前で吐き捨てるのである。
将太の同僚のシンコ君も「こ・・・こいつおかしいよ!!異常だよ!!」とドン引きしており、珍しくシンコ君が読者の思いを代弁してくれるシーンに仕上がっている。
だがチェーン店としては、将太に勝つために買い占めた伊勢海老を一匹丸ごと無料サービスで客に振る舞ったりと、何も知らない一般客からは優良店と思われていた説も。
寿司ネタの買い占めといい、いくら北海道の寿司チェーンとはいえ、どれだけ資金力が豊富なのだろうか。
また、小樽の祭りのちらし寿司イベントでも豪華なちらし寿司を提供していたのだが、巴寿司を狙い撃ちするかのように「イベントで最下位になった寿司屋は1年間営業停止」とかいうトンデモルールをゴリ押ししている。
イベントの成績が悪いと営業停止って・・・こ・・・こいつおかしいよ!!異常だよ!!
その他、将太にお子様ランチちらし寿司の材料を買って煽ったり、新人寿司コンクールの中継がBSなため将太は見れないだろうと煽ったりと、細かい小さな嫌がらせも欠かさない。
将太もまさか、BSの未契約をイジられるとは思わなかったに違いないが、ワンチャン巴寿司がBS契約していたらちょっと面白い。
これらのシーンで将太を小馬鹿にする数々の煽り顔も必見である(佐治たち同様、上唇がめくれ上がる)。
笹木の最後
そんな笹木も、将太と佐治が繰り広げる決勝を観るうちに改心し、最終的には将太と和解を果たす。
作中でも本人が述べていたが、普通は父親を殺しかけた人間を許せるわけはないと思うのだが、関口親子は中トロ握りを振る舞うとともに、いとも簡単に笹木を許すのである。
将太に至っては、その後経営が傾いた笹寿司の立て直し(韓国進出)まで協力するのだから、お人好しにも程がある。
和解金をたんまり積んだのかな?
こうして、笹木も佐治安人や紺屋碧悟とともに善人へとクラスチェンジを果たすこととなるのだが、もう少し小樽警察はちゃんと仕事をして欲しい。