『君 棄権しろよ 僕もその方が楽だからさ!!』
将太の寿司の世界では、世の中における寿司の地位が非常に高いようで、新人寿司コンクールの地方予選ですら、多くの熱狂的な観客たちが集まって盛り上がるほどの一大イベントとなっている。
そんな大事なコンクールなので、対決する職人たちも本気度が尋常ではなく、将太も寝る間を惜しんで課題の研究に勤しむほど。
更には、勝負に勝つためには手段を選ばない輩もいるのだが、その代表格となる寿司職人が「紺屋碧悟」である。
紺屋碧悟概要
政財界御用達の高級寿司割烹「碧寿司」の跡取り息子、紺屋碧悟(こうやへきご)。
この男、碧寿司で店主を務めるだけあり、寿司職人としての実力は非常に高い。
しかし甘やかされて育ったため手に負えないほど我儘になってしまい、常に自分が一番でないと気が済まない傲慢な性格の持ち主。
将太とは、新人寿司職人コンクールを含め、2回対決する。
店主なのに新人寿司職人コンクールに出てくるなよ、というごもっともな突っ込みはあると思うが、10年以上のキャリアを持つ職人、通り名を持つ職人、幻の寿司職人等が堂々と出場する大会なので、店主であろうが全く問題ないようである。
光りもの対決
最初の対決は、新人寿司職人コンクールの3回戦「光りもの対決」。
碧悟は、将太に対して「勝負が面倒だから棄権しろ」と言い放った上、将太がそれに抗うと市場中の光りものを買い占めて妨害を試みる。
笹寿司といい、将太の寿司では頻繁に市場中の魚を買い占める行為が行われるのだが、たかが1勝負のためにかけるコストが異常である。
しかも、光りものはアジ、サバ、コハダ、イワシ、サンマなど、多種に亘るはずなのに、これら全てを買い占めるって、この費用だけで店が潰れてしまう気が・・・。
しかも笹寿司と異なり、高級寿司割烹「碧寿司」では1日にせいぜい2組くらいしか客を受け付けていない。
大量の魚を客に振る舞えるキャパも無いはずなのだが、在庫をどう捌いたのだろうか。
また妨害はこれに留まらず、将太が苦労して手に入れた魚をも腐らせようと、自分の部下に試験会場の冷蔵庫の電源を切らせるという工作も行う。
碧悟はカイジに出てくる帝愛の黒服のような部下たちに妨害工作を指示しているのだが、何故一介の寿司屋にこんな部隊がいるのかは謎である。
勝負は将太が制し、更には碧悟の悪事も公となってしまうことで碧悟は寿司協会を追放されてしまう。
はじめは余裕綽々の厭味ったらしい顔が、戦況が悪くなるに従って上唇をひん剥いた怒りの顔芸に変わっていく姿が、実に見ていて楽しい。
サンマ寿司対決
『久しぶりだねえ 田舎者君・・・・!!!』
寿司協会を追放された碧悟はお店を潰してしまうが、その後日本料理の道に進んだらしく、板前へのジョブチェンジを果たす。
そしてグルメ評論家の武藤鶴栄による手引きにより、「寿司職人vs日本料理の職人」というテレビ番組で将太との再戦を果たすこととなる。
碧悟は凝りもせず、市場のサンマを買い占めるが、今回の妨害はそれだけに留まらなかった。
対決の前日、碧悟はテレビ番組の送迎車に扮した黒服のハイヤーを鳳寿司に送り込む。
ハイヤーの運転手を勤める黒服は、将太が車を降りようとした瞬間に電動ドアを閉じると、将太は左指を大ケガ。
番組本番では左手が使えなくなるというハンデを背負ってしまうこととなる。
ちなみに、現実では電動スライドドアで指を切断した事例もあるらしく、かなりシャレになってない手口である(さすがに将太の指が飛ぶことは無かった)。
※将太の寿司では、寿司勝負にも関わらず、しばしば職人への直接攻撃が行われるパターンがある。
↓↓これとか。
少年マガジンで連載されていた『将太の寿司』は、主人公の関口将太が、ライバルの笹寿司の嫌がらせをはじめ、様々な苦難に直面しながらも、寿司職人...
碧悟は審査する観客たちをも買収したため、一度は碧悟に勝負の軍配が上がるのだが、黒服たちは将太の勝負を諦めない姿勢を見て自分たちの悪事を反省する。
そして黒服たちはこれまでの妨害行為を白状するとともに、将太に謝罪するのである。
そのときにこれ見よがしに買収の領収書の束も見せているのだが、**買収の領収書*というパワーワードに突っ込まざるを得ない。
まさかとは思うが、買収費用を経費として税務申告するつもりだったのだろうか?
紺屋碧悟その後
将太との再戦時の悪行により日本料理界を追放され、職を失った碧悟はすっかり落ちぶれてしまうのだが、町中で目にした新人寿司職人コンクールのテレビ中継で苦戦する将太を見る。
最初は悪態をついていたものの、不利な状況でも諦めない将太の姿に心を打たれ、心を入れ替えることを決意するのである。
この漫画では、相当なクズキャラも最終的には改心し、何故かそれまでの犯罪行為も全てチャラになるという驚きの展開が多い。
紺屋碧悟はまだ報いを受けている方なのだが、これまで多数の犯罪行為を含む被害を受けていながらも、刑事告訴の素振りも見せない将太の寛大な措置には恐れ入るばかりである。
さすがに指が飛んでいたら、例え将太であっても法的処置には踏み込んでいたかもしれない。